往診車をEVにした。離島ではガソリンは貴重な上、台風などの時は船でガソリンを運ぶことができなくなる。そこで考えついたのは電気往診車の導入でした。日々のガソリンの消費量を記録しなくても良いし、走行距離の記録もありません。ただ、定期的な充電が必要です。診療所には200ボルトの電源がレントゲン機械のために用意されていましたので、それを延長し外に延ばしてソケットを設置した。水曜日は赤島と黄島の往診なので、水曜日を充電日とした。

福島県浪江診療所では往診がなかったため、電気往診車は必要なし。通勤にはタクシーを使っていた。往復1万円。一年で250万円だ。浪江町に2年勤務した後、3年目の契約時に町長から「何かご希望は?」と訊かれた。

「給料を10円上げて下さい。家内に給料上がったよと言いたいのです。」

「わかりました。いいでしょう」

2年前の町長は他界したので、新町長は私の給料の額を知らない。課長に訊き、以前からおられる医師と差があったことを知らされた。その差をなくしなさいとの命令を出した。その差は600万円だ。3年前契約の時になぜか金額の話をしなかった。公的機関なので当然決まっていると思っていただが、甘かった。600万円も低く見られていた。4年目はもう無理と決心した。次の職を探し始めたのはこの頃だ。20195月、再びメディカルプリンシプル社(MP社)に連絡を入れ、「週3日電子カルテ使用の老健」の条件で探してもらった。

20198月、MP社から連絡が入った。

「長野県からの依頼です、ご検討下さい。」

「お会いしましょう、いつですか?」

923日は?」

とんとん拍子に話は決まり、20204月から上田市の老健いずみの勤務だ。3年勤めて今度は日産アリアにしよう。20234月が楽しみ。