AIDS(後天性免疫不全症候群)

後天性免疫不全症候群( Aquired Immune Diffecinecy Syndrome: AIDS エイズ)は年々増加し、アフリカではエイズで全滅した部落も出てきています。このエイズは感染経路が変わっていて、殆どが血液を介したものです。

血液をのんではいけない、とレビ記の記者が語っているのは正解です。ホモセクシャルな性交渉での感染が最も多いことも、血液を介してです。この病気は、近代の流行病と考えられていますが、他のいろいろな病気と同じように昔からあったものでしょう。なぜなら聖書のなかに、この病気を防ぐ方法が書かれているからです。

レビ記一八章で男同志の性交渉や獣との交わりを、禁止しています。もともとアフリカの猿にあったといわれているエイズウィルスが、人に感染し拡まったということは、レビ記の命令を守っていなかったからです。血液を介してうつりますから、「月のさわりで汚れている女に近づき、これを犯してはならない。」とも、レビ記一八章一九節には書かれています。エイズでは悪性のカポジ肉腫ができたり、ふだん感染しない弱い菌による感染、特にカリニ肺炎で死に至ります。

現在数種のウィルスがエイズ患者から分離されており、ウィルス説は間違いありません。さて、ウィルスは一匹では生きていけない悲しい生物です。人の細胞の核の中に入り込み、その中の核酸で自分のコピを作ります。ですから人から人へと移っていって種属を保存するのです。従って、人を全滅に追いやると、ウィルスも全滅になります。ですから、けして人間全滅はありえません。

ただし、神様がこのウィルスを使って世に終止符を打つ、というのなら別ですが。

髄膜炎

うなじのこわい民(申命記九章六節)は髄膜炎の症状です。でも急性の髄膜炎の症状ですから、慢性的にうなじがこわいのは後縦靭帯骨化症の可能性があります。

腎不全で血液透析を行っている人の頚椎周囲にアミロイドという蛋白が沈着してきます。この人もうなじがこわくなります。一般的に老化してくると、うなじがこわくなってきて、頑固になり、なかなか「うん」といわないことが多くなってきます。

国会などのうなじのこわい人達も選挙の時だけはうなじが軟らかくなります。あくまでも一般的で、個人個人では軟らかい人もたくさんいますが。「はい」ということがなかなかできない人は髄膜炎か、後縦靭帯骨化症か、頚椎周囲のアミロイド沈着か、はたまた脳に発生した悪性リンパ腫の脊髄播種か、いろいろ検査をし、診断をきめて治療する必要があります。

何の病気もなくてうなじのこわい人に対しては、申命記で神様にモーセがとりなしたように、主イエスを通して神様に執り成して戴くほかありません。でも項がこわいと、お願いするのが無理でしょうか。

ペスト

詩篇九一篇六節に「また、暗やみに歩き回る疫病も、真昼に荒らす滅びをも(恐れない)。」という句があります。いろいろな病原菌を持ったどぶねずみが、夜中にこの世界を歩きまわっています。鼠によって媒介されるペストは、まさしく暗やみに歩きまわる病気でしょう。

ペスト菌は鼠につくノミによって媒介されて、皮膚からリンパ節に行きます。ここでリンパ節が腫れると腺ペストになり、このペスト菌が体の中をまわり、肺に棲みついて肺ペストです。アシュドデのペストは腫物ができたということから、腺ペストだったとおもわれます。さらに老若を問わず襲ったのは、肺ペストでしょう。このペスト菌は一八九四年に日本の北里柴三郎が発見したかのようでしたが、彼の見た菌は疑わしく、同じ年にアレクサンドル・E・J・エルザンが発表したグラム陰性杆菌が、本物のペスト菌です。彼の名前をとって、一九七〇年になってやっとエルシニア・ペスチス(Yersinia Pestis) というペスト菌の公式名が決まりました。エルゼンが発見してから、なんと七六年もたってからです。もちろんその時、エルゼンはもうこの世にはいませんでした。

細菌兵器としてもペスト菌は使用され、つい最近の戦争でもペスト菌保有ノミのついた穀物や、ペスト菌つきネズミを投下する作戦があったようですが、その細菌兵器作戦は失敗に終わりました。ペスト菌を使ってペリシテ人から神の箱を守られた神の作戦とは違って。(サムエル記五章)

炭疽病

「見よ、主の手は、野にいるあなたの家畜、馬、ろば、らくだ、牛、羊の上に下り、非常に激しい疫病が起こる。(出エジプト記九章三節)」 エジプト人の神であった雄牛まで死んでしまいました。この病気がなんであったかわかりませんが、ペストか炭疽病です。ペストだとしたら人にも感染します。さらに人から動物へ感染する場合のほうが多いことから、だぶんペストではなさそうです。では炭疽病でしょうか。

炭疽病の病原菌である炭疽菌ははクロストリジウム属のグラム陽性杆菌(細長い菌)で破傷風菌の仲間です。主として土の中にいる空気の嫌いな嫌気性菌で、家畜には今でも時々感染します。炭疽菌に感染して死んだ動物の肉を、食べて感染した人のケスが希ですが新聞に載ることがあります。ですから日本の法律では鳥以外の家畜を素人さんは屠殺できないようになっています。

この菌はエンドトキシンという猛毒をだすので、動物はショックで一瞬のうちに死にます。人でも例外ではありませんから、肉はなるべく肉やさんから買ったものを食べて下さい。野原で死んでいる牛の肉はけして食べないで!炭疽菌は一本の鞭毛を持っています。この鞭毛は、動物の鞭毛や線毛と同じ微細構造です。線毛不動症候群の所で触れましたが、中心に一対の中心小管、周囲に九対の周辺小管をもち九対のスポクが中心小管との間をとりもっています。九対の小管とスポクの配列は四〇度づつの角度で隔たっています。九対という奇数ですから方向も決まるわけです。粉塵を肺から追い出すために人間の気管の線毛も一定の方向を保って動いています。それにしても細菌と気管支の線毛が同じ構造なんて驚きです。

ハンセン病

現在日本には約八千人のハンセン病患者がいます。ハンセン病の発生はそのほとんどがアジア、アフリカの国々です。

らい菌は結核菌と同じ仲間の、抗酸菌に属しています。この抗酸という意味は染色上の言葉で、酸に強い菌という意味ではありません。〇、五ミクロンの幅で二-四ミクロンの長さのこの菌は、しぶとい性格を持っていて、人から人へと移り住んでその種属を保存しています。抗酸菌らしい菌は、エジプトのミイラからも発見されました。

興味深いことに、人に感染するらい菌と鼠につく鼠らい菌は違う菌です。人に感染するらい菌の培養は出来るようですが難しい技術を必要とします。らい菌は人がいないと種属の保存ができません。ということはらい菌と人とは同時に発生しなければ、などと考えだすとまた進化論者から論争を挑まれそうです。

末梢神経の周囲に癩菌に対する肉芽腫が出来、神経をとりまいて圧迫萎縮させ、皮膚の感覚が麻痺します。針が刺さっても、感染をおこしても感じません。ですから指は徐々に腐ってゆき、ついにはとれてしまいます。同じことが鼻や眼臉でもおこります。筋肉は障害をうけませんから、ナアマン将軍のように大勇士であってもいいのです。(列王記五章)彼はヨルダン川に七回、身を浸すことによってハンセン病を癒されました。エリシャの僕ゲハジは、その欲のためにハンセン病が発して雪のように白くなっていた、と書かれています。雪のように白い皮膚はハンセン病の初発症状です。

ですから、祭司は赤みをおびた白い光る所が七日間で広がるか薄まるかによって、ハンセン病の初発症状をチェックできたのです。(レビ記一三章)

家の病気

トリコスポロン・クタネウムというかびに対してアレルギーを持ってしまう人は、過敏性肺臓炎という耳新しい病気にかかります。ほとんどが、夏におきますので夏型過敏性肺臓炎という名になります。症状は夏風邪でして、以前はお馬鹿さんがひく、といわれていたのですが、お利口さんでもならないとは限りません。原因が最近になって判ってきました。閉めきった部屋でクーラーのつけっぱなしは部屋の中の空気がどんどん汚れてきます。そこにきて湿度が高い場所にトリコスポロン.クタネウムというかびが住みつきます。

特に風呂場とか台所です。お宅のお風呂場の天井に、黒いカビが付いていませんか。これはもう、家の病気(レビ記一四章)に近い状態です。すぐに祭司をよんで見てもらって下さい。え、祭司がみあたらない? では、しかたがありません。カビシャットかカビキラーでごしごし落とすことですね。真っ黒でどうしょうもない時は、レビ記に従って、全て焼いてしまって家を新築したほうが早いかも。蛍光灯の傘もきれいにしといて下さい。川の字になって寝ている三人家族の場合、赤ちゃんが蛍光灯の下に寝かせられる、ということは、カビの直撃弾を受けていることになります。

過敏性肺臓炎のもう一つの原因に塗料の中に含まれているイソシアネートという有機物質があります。これも最近多くなってきていて、日曜大工のお父さんとか、工作のすきな男の子は要注意です。

赤痢

使徒パウロの一行が漂着したマルタ島では、その島の首長ポプリオの父が赤痢をわずらっていました。(使徒二八章八節)パウロはその人のところにはいって行って祈り、手を彼の上において癒してやりました。これがロ-マでのパウロのやや自由な軟禁状態に一役買っていると思われます。最初パウロに耳をかさなかった、近衛隊の百卒長ユリアスも途中からパウロに好意的になってきたからです。

ポプリオの父の病気はデュゼンテリオン(δυσεντεριον)というもので、デュス(δυσ:不、非、難、悪)+エンテロン(エンテロン:内臓)、即ち腸炎です。これに数度の高熱(プレトイス:πυρετοισ;プレトスπυρετοσ:〔熱〕の複数)が加わるのですから現在の赤痢と同じでしょう。

赤痢は赤痢菌による感染症です。この菌は一八九八年志賀潔によって発見されました。発見者に因んだシガと、ポプリオの父の病気のデュゼンテリオンをつないだシゲラ.ディゼンテリイエ (Shigella dysenteriae) という学名になっています。

赤痢菌は細長い菌で人間の腸で繁殖して種属を保存します。ヒト以外の動物にはほとんど感染しません。ということはヒトからヒトへと感染しているわけです。抗生物質の発達した現在ではほとんどみられない病気になってしまいましたが、日本でも毎年夏になるとときどき赤痢患者が発生します。

はるばるマルタ島から、約二千年の旅をしてきたポプリオの父の赤痢菌が、私たちの腸の中に入る可能性がありますので、くれぐれも生水にはご注意を!

大腸菌

もちつ、もたれつという言葉がありますが、これは生物界でも大切な原理です。

人という字にはつっかえ棒があります。長い棒が短い棒につっかかって、人という字になっています。また、人が人間になるには一人では間がありませんので、最低二人必要になりますが、三人はトロイカ方式、四人となるとカルテットです。

同じように、他の生物との間も重要です。人は、いろいろな生物のお世話になっていますす。大腸菌は人の大腸に住み着いて、腸の働きを助けています。でも、大腸菌が大腸から出て海の中に浮いていると、大変です。夏の海水浴場は、太陽と大腸菌がいっぱい、なんてことになると、アラン・ドロンも真っ青です。

大腸菌は三〇分に一回分裂して、二匹になります。この計算でいくと、十五日間で世界は大腸菌だらけ、ということになりそうです。でもそれほど恐れることはありません。ちゃーんと大腸菌を殺す、ウィルスがいるのです。大腸菌ファージという奴で、各種大腸菌に対してそれぞれのファージが、用意されています。大腸菌が増えると、ファージが大腸菌を食べて調節をとっているのです。即ち、大腸菌とファージが整腸作用をしてくれている、といってもいいでしょう。しかし、大腸菌も大腸菌ファージも、人間の大腸が生きていないといけないのです。大腸菌、ファージ、人間、と、もちつもたれつの生活を送っているのが生物界です。

もっとも、海の中の大腸菌はもはや大腸菌ではなくなっていますから、海を浄化することは出来ません。さて、それでは大腸のある動物が発生する前、大腸菌はなんていう名前だったのでしょうか、なんて考えると、また進化論者と喧嘩になりそうです。

習慣性流産

エリシャの時代のエリコの町は水が悪く、流産が多いとされていました。そこでエリシャは水の源のところに行って、塩をそこに投げ込んで水をいやし、今日に至っています。(列王記二章一九節)習慣性流産はお母さんと赤ちゃんの血液型(Rh型など)が合わない場合とか、トキソプラズマという原虫によってもおきます。血液型不適合はごく稀ですので、エリコの町で特別に多かったとは考えられません。それに比較してトキソプラズマは可能性大です。昔は豚から感染する、とされていましたが、最近ではペットからの感染説が濃厚になってきました。トキソプラズマは試験官の中で培養はできません。系代培養にはマウスの腹腔の中で培養します。ペットとの濃厚な愛情表現は妊娠可能な女性にとっては禁止事項です。

さてエリシャの塩ですが、原虫ですから周囲の塩分が多いと細胞内の水が塩の中に出ていくため細胞はパニックに陥り、ついには死にます。原虫の源を塩でいったん断っておけば以後はなくなります。

三日月型をしたトキソブラズマは胎児の脳に入り込み、福助頭の水頭症の原因の一つです。胎児に何らかの重大な疾患があると流産になりやすいのは、生まれてきた赤ちゃんの艱難をなくそうとされる神様のご配慮でしょう。